会えなくなった人に思いを伝えたい…かぜのでんわ(絵本)
もうすぐ夏も終わりでしょうか。
夏の風物詩、24時間テレビが今年もやっていますね。
私はそんなに観ないのですが、今年は嵐が出ているということで、嵐の大ファンの息子がずっとチャンネルを合わせています。
たまたまその中で震災でのお話があり、それでこの絵本を思い出しました。
『かぜのでんわ』
私の子供は震災年に産まれました。
ちょうど震災時はおなかにいたのです。
保育園に通い始めてから、園からいただいた絵本の注文書の中にこの本があり、子供にも知ってほしいと思って買いました。
テレビでももちろんやっていましたが、この絵本の『かぜのでんわ』は実際に岩手県大槌町のガーデンデザイナー、佐々木格(いたる)さんがご自宅の庭に設置した「風の電話ボックス」のお話をもとに作られたそうです。
実際には電話線はつながっていません。
でも、受話器を取り、電話をかけるように話すと、もう会えない人に気持ちが伝わるような…そして何か聞こえてくる気がしてくるんだそうです。
電話機のよこには、こう書かれています。
風の電話は心で話します
静かに目を閉じ 耳を澄ましてください
風の音が又は浪の音が或いは小鳥のさえずりが
聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい
引用元:かぜのでんわ 絵本より抜粋
この絵本は感動というのとも、ただ悲しいというのとも違うと私は思います。
おそらく、読む人によっても感じ方は違うのだろうと思います。
私自身は、震災ではなくても、仲の良い友人を亡くしていることもあり、読むたびにその友人のことを強く想い、私なら何を話すだろう…と考えます。
そして、絵本に出てくるうさぎのおかあさんの気持ちも理解できてしまうために、絵本の世界に入り込み、一緒に泣いてしまいます。
子どもに読んであげたくて、買ったこの絵本ですが、結果的には片手で数えられるほどにしか読んであげたことはありません。
決して子供が読むのに問題があったわけではないんです。
どうしても読むたびに涙が止まらなくなってしまうので、最後まで読んであげられなくなってしまうのです。私の母も同様でした。子供に読もうとしてくれましたが、最後まで読んであげられなかったそうです。
いろんな気持ちがあふれて、たくさんのことを考えさせられます。
そして、今そばにいてくれる人達を大切にしようという気持ちを再確認させられます。今伝えられるだけの気持ちを、出し惜しみすることなく伝えられることの幸せにも気付くことが出来るかもしれません。
ぜひ一度読んでみてください。